ノマドの終焉と、これからの仕事環境について

昨今ノマド的な働き方が流行っているようですが、
個人的にはあまり生産性の高い仕事の仕方とは言えないと思います。
ということで唐突ですが、ノマド反対!w


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理由は簡単です。
ノマドワーカーになれる条件として以下の3つが挙げられています。

  • 集中力のコントロールができるということ
  • 情報をコントロールできるということと
  • 仲間とのコラボレーション(協調)をコントロールできること

けど、それだけ自律的に仕事ができる人ってそもそも付加価値が高くないですか?
そういった人材がこの3つをコントロールすることに労力を掛ける方が
仕事の効率のロスが大きいので、ノマドをできるぐらいの人は
ノマドをやらない方がお得というパラドックスになる
というわけです。
ノマド自体が目的化しているのであれば話は別ですが。

エンジニア以外の職種の方は分かりませんが、
少なくともものづくりの環境として重要なものは連続した思考の時間であり、
割り込みが少ない環境で仕事をすることだと思います。
ノマドというワークスタイルではそういった環境を常時は確保できませんよね。
カフェやコワーキングスペースで仕事をしていると、
ついついfacebookとかtwitterとか気になったり、
隣に座ったかわいい女の子に目が行ってしまいませんか?
ええ、すみませんが、少なくとも私は行ってしまいます(^^;

だからといって今までのオフィス環境の方がよいというわけでもない
というのも事実です。
ノマドというワークスタイルが出てきたのも、既存のオフィス環境が
仕事の内容の変化についていけなかったのがきっかけですし。
オフィス自体が、そもそも集中しにくく、情報をコントロールしにくく、
仲間とのコラボレーションもしにくいのであれば、
オフィスの外で仕事をすることで通勤時間を短くしたりしたくなる気持も分かります。

おそらく次の時代のワークスタイルや経営の方向性というのは、
働き手がそこで仕事をすることを自発的に最も効率的だと思える場のデザインを行うこと
ではないかと思います。そのためには、「集中」と「つながり」の両立がキーになると思っています。

今回、設立した10x Labはソフトウェアプロダクトを作るだけでなく、
プロダクトが生み出される環境を作ることも一つのミッションだと考えています。
例えば、
お互い視線が交錯しないようにデザインした机の配置だったり、
人が移動しても視界に入ってこないようにディスプレイを配置したり、
カフェ等では確保できない広いデスクトップ環境を整備したり、
長時間座っても疲れない椅子を準備したり、
割り込みが発生しないように電話を置かなかったり、
食事やちょっとした機会に集まれる場をつくったり、
他にもいろいろと環境に関する仮設のポイントをおいて設計していたります。
またこれらの取り組みの結果が出てきたらみなさんとも共有したいと思います。

設計にあたって、この分野に造詣が深いアドアルファさんに
協力をお願いしました。
私たちはソフトウェア工学的な観点から、
アドアルファさんはオフィスデザインの観点から、
双方意見を出し合いつつ今の形ができてきました。
業界を超えたコラボレーションは発見があって面白いですね。
この場を借りて御礼をさせて頂きます。

余談になりますが、実験であるというからには
定性的な評価が求められます。
ソフトウェアの生産性の計測が難しいというのは、以前のエントリーでもご紹介しましたが、
ソフトウェアメトリクスを取得する環境の整備できたら、
ワークスペースが生産性に与える検証も行って共有していきたいと思っています。
サンプルが多い方がいいので、ご興味ある方はぜひご一報ください!