矛盾を抱擁する

皆さん、矛盾という言葉にどのようなイメージを持ってますか?
道理が通っていない状態、誤りがある状態など悪い印象を持っている人が多いのではないでしょうか?

私は「矛盾を突き放すなんて、なんてもったいない!」と思っています(笑)

よくリーダは矛盾と向き合うことが重要など言われたりしますが(そしてそれはそれで結構重要だと思ってますが)、別に私がマネージャだから矛盾を好んでいるという訳ではなく、むしろ一エンジニアとして矛盾ってすごく貴重なチャンスだと思ってます。

くっつかない接着剤というところからポストイットが、
手にべたつかない飴というところからチュッパチャップスが、
宛先のないメッセージというとこからTwitterが生まれました。

矛盾を解決する視点や方法を探ることが、エンジニアが土台として持っているべき姿勢だと思うのです。
矛盾を受け入れ、その矛盾が現実として成り立つために自分自身の認識を変える。その着眼点が変化した時にイノベーションが起きると思うと、矛盾も捨てたものじゃないなと思いませんか?

任天堂横井軍平さんの有名な言葉に「枯れた技術の水平思考」という言葉がありますが、水平思考というのはまさに矛盾を意図的に生み出すことで新しい視点を得る思考方法ですし、分野は飛んでしまいますが哲学でいう弁証法の止揚アウフヘーベン)という概念も矛盾を抱擁する姿勢がいかに大切かを説いているのだと思います。

矛盾というものはアイデアが生まれる宝庫だと思うと、今まで無理難題だと思っていた顧客や市場のニーズやウォンツをもっとポジティブに、もっと自分の解決すべき問題として感じられるようになるのではないでしょうか。