視点を変えるだけで生産性を数倍にできる「複利の仕事術」
今回は仕事の生産性について書いてみました。20〜30代の若手の社会人の方向けのエントリーです。仕事の生産性を上げたいとき皆さんはどうされています?今日は生産性を上げるために、自分が意識していることを紹介したいと思います。
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複利の仕事を意識しよう
結論から言うと、普通の人の数倍の生産性を上げたいのであれば、仕事にコミットする時間や集中力に加えて、何に取り組むかを正しく選ばなければなりません。そして仕事を選ぶときは、それが複利の仕事であるかどうかを考えて選んでください。
複利の仕事とは何でしょうか?複利というのは、銀行の金利を説明する際によく使われるとおり利子(得られたリターン)が次の元本に含まれるようになることです。単利と複利とでは1、2年ではそれほど差がつきません。しかし数年と時が経つにつれて差が開いてきます。例えば同じ年率20%の効用があるとした場合、単利と複利では以下のような違いが出てきます。
1年 | 2年 | 3年 | 4年 | 5年 | 6年 | 7年 | 8年 | 9年 | 10年 | |
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単利 | 1.20 | 1.40 | 1.60 | 1.80 | 2.00 | 2.20 | 2.40 | 2.60 | 2.80 | 3.00 |
複利 | 1.20 | 1.44 | 1.73 | 2.07 | 2.49 | 2.99 | 3.58 | 4.30 | 5.16 | 6.19 |
10年経つと大きく差が開きます。もし「え、10年も長い時間をかけて3.00と6.19って、これだけしか違わないの?」と思った方もいるかもしれません。分かりやすく収入におきかえてみましょう。入社当初年収が200万の人が、単利の仕事のみをしたとき10年後には生産性は3倍になっています。つまり年収は600万となります。一方で複利の仕事をした人の年収はどうでしょう。この計算では年収は1240万になるということです(そして更にその先は大きく差がついていきます)。
単利と複利の違いで恐ろしいのは、1、2年ではそれほど差が見えないということです。自分の仕事が単利なのか複利なのかを見分けることができなければ、10年後になって初めてその違いを実感するということになってしまいます。
さらに恐いことに仕事は単利の仕事と複利の仕事以外に、消費の仕事というものがあります。それは利率0%の仕事です。仕事の効果がワンタイムで消費されてしまうようなルーティンワークは利率0%の仕事です。その場合生産性はずっと1.00のままで、収入は増えません。世の中は、消費の仕事であふれています。意識をせずに仕事をしていると単利すら得られない状態になるので注意をしましょう。
では複利の仕事を見つけるにはどうすればいいのでしょうか。それは複利の原則に戻って、「得られたリターンが次の元本に含まれるような仕事」を探せばよいのです。そして、複利の仕事には2種類あります。一つは効果を指数的にのばす仕事、もう一つは指数的にのびるコストを押さえる仕事です。
効果を指数的にのばす仕事とは
効果といっても、それは売上のように見えやすいものだけではありません。例えば、人に教えることで周りの人の生産性があがり、その人々が更に周りの人に対して教えることで生産性があがる連鎖を生むことができれば、それは複利の仕事だと言えます。
しかし、複利かどうかは自分がしっかりシビアに判断しなければなりません。周りの人に仕事を教えるだけでは、それは単利の仕事です。なぜなら教わった人が周りに教えるとは限らないからです。複利の仕事というのは、仕事を教えるだけにとどまらず、周りの人を教える方法を教えるところまでやって初めて複利の仕事になります。同じ教えるという行為でも、そのぐらい意識をするかしないかで単利の仕事になるか、複利の仕事になるか変わります。日々行っている仕事の中でも取り組み次第で複利の仕事にできるということです。
指数的にのびるコストを押さえる仕事とは
これはイメージがつきにくいかもしれません。例をあげると、ソフトウェアのコストが良い例かと思います。ソフトウェアのコストは人数が増えるたびに、またコードベースが大きくなるにつれて指数的にコストが伸びていきます。システム規模が大きいと、小さな修正を行うだけでも既存の巨大なシステムとの依存関係を意識した検証を行わなければなりません。修正の規模に関係なくリリースをするコストが増えていきます。例えばそのようなコスト構造を、システムの規模に関係なく修正ができるような仕組みを提供できれば、それは複利の仕事といえます。
複利の仕事の見分け方は伝わりましたでしょうか?先述の通り、単利と複利では最初それほど違いが出てこないので本当に合っているのかどうか不安に思うかもしれません。しかし継続すれば生み出せる成果は大きく変わってきます。ぜひ自分が携わっている仕事が消費の仕事なのか、単利の仕事なのか、複利の仕事なのかを意識して取り組んでみてください。